不動産購入申込書について
2019年3月25日
購入したい不動産が決まり、住宅ローンの事前審査の承認も得られたら、不動産購入まであと一歩ですね。
ただし、不動産は口頭で「買います」と言って購入できるわけではありません。
言った言わないを防ぐために書面で購入する意思を売主様に伝える必要があります。
その書面が「不動産購入申込書」です。「買付証明書」とか「買付書」とも言います。
ただ、「不動産購入申込書」の法的根拠を知らないで書いたが故にトラブルが起きる場合も多くあります。
「不動産購入申込書」の効力は、法的に関する書類ではない!記入後もキャンセルできる!
逆に言うと、「不動産購入申込書」を記入すれば必ず購入できるのか?
答えはNOです!
必ず購入できると思っているのは大きな間違いです。
そして、この書類を記入したからと言って必ず購入しなければならないか?
これもNOです!
人間というものは気が変わるものであり、後から親御さんなど周りから猛反対にあうかもしれません。
記入後に別のもっと良い物件が見つかるかもしれません。
逆に、売主様からしても、あなたが記入した後に、もっと条件良く買ってくれる買主様が見つかるかもしれません。
「不動産購入申込書」を記入後に買主・売主双方キャンセルすることは可能です。
ただし、信頼を失うことになりますが・・
当然、申込の際に申込金などを払っていた場合は、必ず返金されます。
但し、売買契約締結後の手付金は解約手付として返還されませんので注意が必要です。
【相手方(売主様)に迷惑料を請求された!払うべき?】
「不動産購入申込書」を提出して、交渉条件が折り合い、
契約が決まった一週間後に、身内に猛反対されたり、
やっぱり考え直したいと思ってキャンセルをしたら、
相手方に迷惑料を請求されたとします。
このケースの場合、支払う必要はあるかというと、全く支払う必要はありません。
「不動産購入申込書」は、法的根拠の無い書類になりますので、相手方が迷惑料として金銭を請求してきた場合は丁重にお断りをしましょう!
もし迷惑料を請求してきた相手方が個人の売主様ではなく、
不動産屋だとしたら、あまりにもしつこい場合は、
行政に相談すれば一発で不動産屋はおとなしくなります。
なぜなら免許停止になる恐れがあるからです。
もちろん預り金などがあれば返してもらえますので安心してください。
だからと言って、安易なキャンセルは信頼を失います。
キャンセルする可能性があるのであれば絶対書いてはダメです。
売主様の気持ちも考えてみてください。
しかも価格交渉などの条件をのんでくれていた場合や、
売主様が一人ではなく数人いる場合、遠方に住んでいる場合など・・
契約に向けていろいろ準備を進めていた売主様は納得がいかず怒っても当然です・・
ついでに仲介業者もタダ働きです・・
何度も言いますが、安易にキャンセルするなら「不動産購入申込書」に記入するのは絶対にやめましょう!
信頼を失う原因になります!!!
【条件を決めるのは不動産購入申込書を書くときに決める!後からは変更できない!】
価格交渉などの交渉ごとがあるときは、「不動産購入申込書」に希望条件を記入します。
「不動産購入申込書」には交渉前の金額で記入したにもかかわらず、あとからやっぱり値引きしてほしいというのはNGです。
「不動産購入申込書」は、条件を売主様に伝える書面になります。
書面に記載していないものを、後から値引きしてほしいというのは話になりません。
【「不動産購入申込書」を1番に提出しても、条件によっては2番手を優先する場合がる!】
価格交渉ありでの「不動産購入申込書」を提出した場合、売主様が了承しない可能性があります。
大幅値引きなどはまず突っ返されるでしょう。
そんな時、2番手が1番手より良い条件(高い金額)で購入したいという「不動産購入申込書」を売主様に提出したとすると、、
基本的には、1番手に2番手より高い金額で購入できますか?と打診しますが、
2番手が満額購入のうえ、現金購入だったり、契約日が早ければ、売主様によっては、1番手ではなく2番手と契約することもあります。
この場合、1番手は売主様に対して納得いかず怒りたい気持ちもわかりますが、
あくまでも売主様のスタンスとして、
「条件のいい人に売る!」です。
1番最初に申込してくれたからなどの、情けで通る世界ではありません。
それを踏まえて購入条件の交渉をしなければなりません。
【「不動産購入申込書」についてのまとめ】
●「不動産購入申込書」は法的な効力は一切ない!
●キャンセルしても迷惑料を払う必要も一切ない!
●1番に書いたからと言っても、必ず購入できるとは限らない!
●売主様は、他に好条件のお客様がいれば、そっちと契約する!
「不動産購入申込書」を提出後のキャンセルは
買主様・売主様・仲介業者ともども、いい気持ちになるものではないので、
トラブルを避けるためにも、記入するときは、何がなんでも購入する!
という気持ちで書いてほしいです。
・・とは言え、実際は
何がなんでも購入する気持ちで提出しても、後からどうすることもできない理由により、
本当は購入したいけれど、なくなくキャンセルせざるを得ない場合もあったりして、
それが売主様が納得していただければ良いのですが、
そうでない場合もあったりしますので、注意が必要ですね。
もし買主様がお詫びの気持ちとして迷惑料を払います、というのであれば、
双方納得のうえであれば、それはそれでよいのですが・・。
難しいところです・・。