不動産売却時に多いご相談(近隣との騒音トラブル)
2025年1月7日
Q:近隣と騒音トラブルを抱えている場合、どうすれば?
住まいを売却したいけれど、ご近所と騒音問題でトラブルを抱えている、意外によくある相談です。目に見えない問題だけに、感じ方は人それぞれで一筋縄ではいきません。そんなお悩みを抱えた住まいを売却するにはどうすればいいのでしょうか。
★騒音トラブルの告知義務はないですが…
ひと口に“騒音トラブル”といっても、大きく2つに分けることができます。まずひとつは、売主様が騒音を発しているケース。例えば、マンション住まいで小さい子供が2人いて、いくら注意しても静かにできない。下の階から『足音がうるさい』と頻繁に苦情がきて辛いという理由から、売却して引っ越したいと考えるケース。この場合、売却に特に支障はありません。売主様は、次の住まい選びに注力すればいいでしょう。
厄介なのは近隣からの騒音です。上や隣の部屋がうるさいから、今の住まいを売却して引っ越したいというケース。これは普通のことではありません。賃貸なら引っ越すのは比較的容易ですが、せっかく購入した住まいを売却してまで他所へ移りたいというのですから、まさに“トラブル”と言えます。
一戸建て住宅も騒音のトラブルは無縁ではありません。向かいの家のテレビの音量が大きすぎる、隣の家は夫婦喧嘩が絶えないなどなど、むしろマンションより“火種”は多いかもしれません。
そうした騒音トラブルに関して、売主様に告知義務はありません。しかし、ここは正直にありのままを不動産会社に伝えたほうがいいでしょう。後々のトラブルを未然に防ぐためです。
不動産会社は経験を重ねたプロ。売却理由をお伺いして「え、そんな理由で?」という内容だと「この売主さん、なにか隠していることがあるのでは?」ということが感覚的にわかり不動産会社はプロとして深掘りしなければいけません。
トラブルがあることを伝えないまま売却してしまっては、自分の首を絞めることにもなりかねません。不動産会社は売主様からきちんとヒアリングするべきですし、聞いた話は買主様候補に伝えるべき。そして、その状況の中で最大限の努力し、不動産を扱う者としての仕事のあり方が問われるとも言えるでしょう。
★双方の話し合いで“落としどころ”を決める
騒音などの近隣トラブルについては、不動産会社にも告知義務はありません。売却後にトラブルが発覚し、買主様から「なぜ言ってくれなかったんだ。知っていたら買わなかったのに」と揉めてしまい、裁判沙汰になることも。トラブルを未然に防ぐ意味から、不動産会社はきちんと聞いて正直に伝えるべきなんです。
では、実際の販売活動ではどのように話を進めるのでしょう。騒音などのトラブルは、買主様候補を物件にご案内して、「ちょっと検討してみようかな」と前向きになったところで「実は、こういうことがあるんです」と切り出すしかありません。
最終的に販売価格をあらかじめ相場より販売価格を安めに設定し、「価格にはこういう理由があるんです」と早めの段階で買主様候補に伝えて整合性をとります。売主様と買主様の双方が納得すれば問題のない話なので、方法はいろいろと考えられるでしょう。
不動産会社は、良い情報も悪い情報も包み隠さずお客様に提供するのは務め。スムーズな売却を実現するためにも、売主様は積極的に情報を提供しましょう。
弊社では売却、購入、有効活用等の相談を無料で承っています。他にもセカンドオピニオンの相談にも対応いたします。現状に疑問や不満を感じている売主様、お気軽にご相談ください。