リノベーション前提の中古マンション購入
2019年4月28日
リノベーションを前提に中古マンションや中古住宅を購入する、というスタイルが今、注目されています。
その理由として、希望の間取りやデザインにして、自分たちが求めるライフスタイルを作れることがあるようです。
今回は、どのような中古マンションを買えばよいのか、後で後悔しないためのチェックポイントをお届けします。
【変えてはいけない「共用」部分を知る】
マンションは大きく分類すると、「共用部」と「専有部」に分かれています。
リノベーションができるのは、専有部のみ。
専有部とは、各マンションの住戸内部のことです。
まずは、リノベーションができない場所をしっかり認識しておきましょう。
1. マンション共用部
マンションのエントランスドア、エントランスホール、廊下、エレベーター、階段など。
マンションの他住人とシェアして使う部分は、自己の判断によってのリノベーションは禁止となります。
2. 玄関ドアの交換
変えてもよいのでは?という感覚がありますが、玄関ドアも「共用部」。
自己の判断においてのドアの交換はできません。
しかし、玄関の内側は自己所有と考えてよいので、ドアの半分は塗装で色を変えたり、シートを張ることもできます。
3. 窓サッシ、ガラスの交換
中古マンションで品質や性能が古く、断熱性能が気になる場合は、既存の窓の内側に新しいサッシを設置して、二重サッシにする手法が多く用いられます。
4. バルコニーのリノベーション
マンションの外観を損ねるような手すりの交換や塗装はできません。
しかし例外として、避難経路を塞がないことを前提に、外観に影響が出ない床部分にウッドデッキ調やタイルやシートを張ることはできる、としているマンションもあります。
以上の1~4の部分は、いくら古くても、好みの見た目ではなくても、自分の意志では変えられないところなので、物件購入前に必ず検討すべき重要事項です。
また、各マンション独自に決められた「管理規約」や「使用細則」といったマンションのルールもありますので、
リノベーションに関するルールの記載があるかどうか、確認してみましょう。
【毎月かかる2つの支払額とは?】
マンションを購入したら、必ず毎月支払わなければならない2つの費用があります。
それが、「管理費」と「修繕積立金」。
2つの用途を簡単に説明すると、以下のようになり、義務として住民は毎月支払うことになります。
「管理費」:共有部の管理をする、安全・クリーンに保つための経費
「修繕積立金」:マンション自体の改修をするために皆で貯金
この費用は、マンションによってバラバラです。
2つの費用をチェックせずにマンション購入をしてしまい、毎月のローン返済と合わせると支払い額が大変なことになるケースもあるので、要注意!
マンション購入のローンの支払いとは別に発生するお金。
物件購入の時には、必ずこの管理費、修繕積立金の2つを確認することが大切です。
【”旧耐震”or”新耐震”】
物件の購入においてしっかりと確認しておきたいのは、耐震性による安全。
覚えておきたいキーワードは、「1981年(昭和56年)6月」です。
それ以前に建築確認を取った建物であれば「旧耐震基準」、
それ以降に建築確認を取った建物であれば、今も採用されている「新耐震基準」を満たしています。
この基準の大きな違いは、以下のように定義づけられています。
《旧耐震》……「震度5強程度でも倒壊せず、大きな損傷を受けない」
《新耐震》……「震度5強程度の中規模の地震の際に軽微なひび割れ程度で、また震度6強~7の大規模な地震の際に倒れない」
「1981年(昭和56年)6月」は、完成した時期ではなく、建築確認を取った時期なのでご注意下さい。」
築年数から、どちらか判断しずらい場合は、不動産屋さんに聞くと教えてくれます。
旧耐震の場合は、耐震補強が行われているかも併せて、しっかりと安全を確認することが大切です。
【住宅ローン控除可能なのか見極める!】
不動産を購入する際には、住宅ローンを組むことが多いはず。
物件によっては、住宅ローンを借りることで、控除を受けることができます。
その控除の条件を確認し、購入を検討している物件は控除ができるかどうかも併せて、検討してみましょう。
この控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」。通称「住宅ローン控除」と呼ばれています。
住宅ローン控除を受けるための条件は以下です。
1. 「自分」で住む
「別荘や投資用(賃貸用)、親戚用等、自ら住まない物件は、住宅ローン控除の対象外です。」
2. 12月31日までその物件に住む
「購入した日から6か月以内に住み、12月31日まで住んでいることが条件。」
3. 住宅ローンの借入期間を10年以上とすること
「10年未満は住宅ローン控除の対象外です。」
4. 面積が50㎡以上であること
「マンションの場合は、内法面積50㎡以上が条件となります。」
「壁芯面積で50㎡では、控除が受けられません。(※一戸建ての場合は壁芯50㎡以上でOK)」
5. 所得金額が3,000万円以下であること
「年収ではなく所得です。」
「年収から各種控除を引いた額が3,000万円以下でなければ、控除が受けられません。」
6. 住宅ローンは銀行かフラット35等から借りること
「親族からの借入、勤務先から1%未満の借入をしている場合は、控除が受けられません。」
7. 耐震性能を有していること
「木造などの耐火建築物以外の場合は築20年以内。」
「鉄筋コンクリートなどの耐火建築物は築25年以内に建築されているものが対象となります。」
リノベーション物件を検討されている場合には、特にチェックしたいポイントですね!
以上7点が、知っておきたい住宅ローン控除適用のための条件となります。
親族等から借入をした場合と、銀行融資の住宅ローンの控除と利息を計算して、どちらが有利か検討してみましょう。
また、この控除は3,000万円の特別控除や10年超保有の税率の軽減等の併用はできません。