ローンの残債が売却価格より多い
2025年7月4日
Q:売却価格よりローン残債の方が多そうですが、売れますか?
「2人めの子どもができ住まいが手狭になったので住み替えたいけど、まだ住宅ローンが残っている」こんなお悩みを抱える人は少なくありません。戸建て・マンションをお持ちで、住宅ローンがまだ残っている場合はちょっと厄介です。
★売却には住宅ローンの完済が必須
住宅ローン返済中の物件から別の物件に住み替えるためには、ローンの残債を完済して、債権者(この場合、住宅ローンを貸し付けている金融機関)が持つ抵当権を抹消してもらう必要があります。抵当権を抹消しないと、物件を売却することができないからです。
たとえば、Aさんが結婚して中古のマンションを購入したとします。
住宅ローンで3,000万円の借り入れをしました。子どもが2人でき、55㎡のマンションでは手狭に。住み替えを考え、マンションを査定してみたところ、現在の相場は2,000万円程度になっていました。住宅ローンの残債は、まだ2,500万円残っています。住み替えるためにはどうすればいいのでしょう?
Aさんの場合、住み替えを実現するための方法は2つしかありません。
ひとつは、500万円の現金を工面すること。残債が2,500万円に対し、マンションの時価は2,000万円なので、完済には500万円が不足しているからです。
もうひとつの手段は、「住み替えローン」。2,500万円の残債と住み替え先として考えている戸建ての代金3,000万円を合わせて5,500万円のローンを組むこと。ただし、このローンの場合、借入額が大きくなるため、利息や月々の返済額も跳ね上がるデメリットがあるので、あまりおすすめできる方法ではありません。ローンの審査も相当厳しくなっています。
★売却と住み替えが成功する人の特長
負担が少なく、少しの上乗せで済むのなら住み替えローンもありですが、実際、ローンがネックになり、住み替えを我慢している人たちは多くなっています。
参考までに、住宅ローンが残っている物件から住み替える手順は以下の通りです。
・住宅ローンの残債を借り入れている金融機関に確認。
・次に、不動産会社に住まいの査定を依頼。
・住宅ローンの残債といまの住まいの査定額を照らし合わせて、ローンが完済できるか否かを確認。
住まいの売却のメドが立つようなら、住み替えのための物件探しなど、具体化に向けて進めていきます。
住み替えをスムーズに実現する人には特長があります。
それは、資産価値が高い物件を購入していたこと。特にマンションの場合、重要なのは立地。
駅近など立地の良いマンションは年数が経っても資産価値が下がりにくく、場所によっては資産価値が上がるところもあります。こうしたマンションを購入すると、いざ住み替えというときに、売却額がローンの残額を上回る「アンダーローン」の状況が期待できるわけです。
一方住み替えに苦労するのは、不便な場所にある新築マンションを購入した人に目立ちます。立地があまり良くない新築マンションは資産価値の目減りが早く、ローンが減るスピードよりも早いため、マンションの売却額がローンの残債に満たない「オーバーローン」の状態を招いてしまうからです。
最初に購入する不動産は大事です。
本当にお客様のことを考え、「今は売らずに住み続けていたほうがいい」と冷静な判断を促す不動産会社もあります。不動産取引を成功させる秘訣は、そんな会社を見つけて相談相手として活用することにあります。
弊社では売却、購入、有効活用等の相談を無料で承っています。現状に疑問や不満を感じている売主様、お気軽にご相談ください。