離婚する前の査定は可能?
2025年6月5日
Q:離婚を考えていますが、査定をしてもらえる?
「離婚を考えているので、不動産を処分したい」といった内容の相談が増えているように感じます。離婚が具体性を帯びてきたとき、不動産売却についてどこに留意すればいいのでしょう。
★住まいを財産分与する
離婚に際する実務のひとつに「財産分与」が挙げられます。
財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して築いた共同の財産を、離婚時に分けて精算すること。婚姻中に住まいとして購入した一戸建てやマンションは、夫と妻、どちらの名義であっても共有財産となり、財産分与の対象となるわけです。
共有財産ですから、夫婦のどちらかが勝手に売却することはできません。しかし、現在の資産価値を知る程度であれば、離婚前であっても住まいの査定は可能です。
財産分与する方法は大きく2つあります。
ひとつは、住まいを売却して現金化し、夫婦で分配する方法です。住宅ローンが残っている場合は、残債を返済したのち、残った金額を夫婦で分けます。分配の比率は平等が基本ですが、話し合いで決まる場合がほとんどです。
もうひとつは、夫婦のどちらかが住み続ける場合に用いられる方法で住まいを現金化せずに、
住まいを査定して現在の評価額を割り出し、それを夫婦で分与する方法があります。
★財産分与の流れ
財産分与の流れでは、まず、不動産の名義人を確認します。
夫の名義か夫婦共有の名義がほとんどですが、夫や妻の親など親族名義になっている場合もあるので注意が必要です。住まいの名義人がわからない場合は、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して確認します。法務局やオンラインでの取得も可能です。
住宅ローンの契約名義人と残債や連帯保証人の有無も確認します。
次に住まいの査定を不動産会社に依頼します。離婚することが確定的な場合は、財産分与の金額をきちんと算定するため、訪問査定を依頼して住まいを詳細に調べてもらいます。
他に、特有財産を確認します。特有財産とは、夫婦の協力とは無関係に取得した財産や婚姻前から所有していた財産などのこと。住まいの購入に際して夫婦の親族から援助があった場合、特有財産としてその分を差し引いて計算します。
例えば、6,000万円の住まいを購入したとき、妻の親から2,000万円の援助を受けたとしましょう。離婚のとき、住まいは時価3,000万円に。妻の親からの援助は妻の特有財産とみなされますが、不動産価格と同じ割合で減少するため、1,000万円となります。住まいの時価3,000万円から差し引くと、財産分与の対象額は2,000万円。これを夫婦平等に折半した場合、夫は1,000万円で妻は特有財産を合わせた2,000万円を受け取ることになります。
最終的に、財産分与の金額は夫婦の話し合いで決めます。
お互い歩み寄ることが出来ない場合、両者の間に弁護士を立て、家庭裁判所の判断を仰ぐことになります。住まいに関しては、離婚が決定的なら売却することをおすすめします。
近年、ネットで簡易的に出来るAI査定などもありますが、ネットでのAI査定をした後、多数の不動産会社から不動産の売却について連絡が多くなることも。
不動産会社に直接、査定の相談をしたからと言って必ずしも売らなければならないわけではありません。査定のご相談のうち、9割程度は相談で終わる方もみえますし、後日改めて、本当に住まいの売却を考えたときに不動産会社に売却の相談をされる方も多いです。
弊社では売却、購入、有効活用等の相談を無料で承っています。現状に疑問や不満を感じている売主様、お気軽にご相談ください。